『なぜウォーキングが腰痛に効くの?〜最新研究でわかった意外な理由〜』
岡田整体院の縁側で、なんじぃが昼寝から目覚めたマヤーとお喋りをしていると、エンチュが息を切らして走ってきました。
「大変だー!マヤーのおばあちゃん、また腰が痛いって」
「えっ!?この前良くなったと思ったのに」マヤーが心配そうに言います。
そこへ診療の合間の院長が顔を出します。 「おや、マヤーのおばあちゃんの件かい?実は今朝、とても興味深い研究論文を読んでいたところなんだ」
「なんなん♪ どんな研究?」なんじぃが目を輝かせます。
「腰痛の方701人を対象にした大規模な臨床試験でね。特に注目したいのが『再発までの期間』なんだ。何もケアしないグループは112日で再発したのに対して、専門家の指導のもとでウォーキングを続けたグループは、なんと208日も腰痛なしで過ごせたんだよ」
「へぇ!ほぼ倍の期間も違うのね」マヤーが感心します。
「でもね、ここが重要なポイントなんだ」と院長。「ただ歩けば良いわけじゃない。この研究では、理学療法士による月1回の講習会も併せて行っているんだ。正しい歩き方や、自分の体に合ったペース配分を学ぶことで、より効果が高まるようなんだよ」
エンチュが首をかしげます。 「でも、なんで歩くだけで腰痛が良くなるの?」
「良い質問だね。実は三つの要因が組み合わさっているんだ」院長が指を折って説明します。
「一つ目は、歩く時の緩やかな振動が脊椎や筋肉に適度な刺激を与えること。二つ目は、その運動でリラックス効果が生まれてストレスが減ること。そして三つ目が、エンドルフィンという体の中の痛み止めのような物質が分泌されることなんだ」
「なんなん!だから痛みが和らぐんだね」
「そうそう。でもここからが私たち南城市民にとって嬉しいところなんだ」院長が笑顔で続けます。「この研究で重要なのは、特別な医療器具や高額な治療は必要ないということ。志喜屋には気持ちの良い散歩コースがたくさんあるでしょう?あの緩やかな坂道、心地よい海風、美しい景色…これらが自然と継続を助けてくれるんだ」
マヤーが立ち上がります。 「そうか!私、今日からおばあちゃんと一緒に散歩に行ってみようかな。でも最初は斎場御嶽までは遠すぎるかも」
「その通り!」院長が頷きます。「最初は自分の体力に合わせて、無理のない範囲から始めることが大切。徐々に距離を伸ばしていけば良いんだ。大事なのは継続すること。だから楽しく続けられる工夫が必要なんだよ」
なんじぃが手を叩きます。 「なんなん♪ それなら私が三線を持って一緒に行くよ!歩きながら島唄でも口ずさんで」
「あら素敵!」マヤーが目を細めます。「音楽があれば気分も上がるし、自然と良いペースで歩けそう」
院長が満足そうに頷きます。 「そうそう、それが理想的だね。運動効果だけでなく、おしゃべりや音楽、景色を楽しむことで、心も体もリラックスできる。これこそが、研究で示された『ウォーキング療法』の本当の魅力なんだ」
この日から、なんじぃとマヤー、そしてマヤーのおばあちゃんの毎日の散歩が始まりました。時には三線の音色に合わせて、時には潮風を感じながら、ゆっくりと一歩一歩。科学的な研究結果と、南城市ならではの自然や文化が織りなす、新しい健康づくりの形が始まったのです。